メンテナンスコスト削減や設置場所の省スペース化に効果的なプレート&シェル式熱交換器について調査しました。ここでは、機器の特徴やできること・できないことをはじめ、プレート&シェル式熱交換器を国内で取り扱っているメーカーを紹介しています。
プレート&シェル式熱交換器は、シェル&チューブ式とプレート式のメリットを兼ね備えた熱交換器です。シェル&チューブ式のメリットは、優れた耐圧と耐温度性能、ガスケットが不要ということ。プレート式の場合は、小型かつ軽量で汚れにくく、低温度差に対応可能な点がメリットです。
つまり、コンパクトかつ高効率な熱交換器なのです。流体の滞留時間が短いながらも、独自の円形プレートにより、温度差が小さい場合もしっかりと効果を発揮します。
以下に、詳しい特徴とプレート&シェル式熱交換器でできること・できないことをまとめたので、ぜひチェックしてみてください。
同効率のシェル&チューブ式熱交換器と比べておよそ1/5の大きさです。大幅にコンパクト化することが可能になり、縦置きや横置きなど、自由なレイアウトで配置することができます。そのため機器の省スペース化に取り組んでいる企業に適した熱交換器です。
コンパクトな熱交換器なので、費用が高くなりがちなチタンなどの特殊な素材を使用するケースにおいて、大幅なコスト削減が可能。
応力を分散できる円形プレートを採用し、ガスケットも不要なので、経年劣化による不具合の発生が軽減されます。そのため、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも削減できます。
応力を均一に分散できる円形プレートを採用することで、激しい温度変化や凍結にも柔軟に対応できる高耐久性の構造を実現しています。
この円形プレートを交互に重ねていくことで強力な乱流の発生を促進。それにより、総括伝熱係数はシェル&チューブ式熱交換器と比較するとおよそ3~5倍に。高効率な熱交換を行えることが分かります。
円形プレートは、鈍角45°タイプと鋭角15°タイプの2種類を用意し、多彩な条件や企業のニーズにより選択できます。圧力損失を抑えたいのか、それとも伝熱効率をアップさせたいのかを、じっくり検討しましょう。
プレート&シェル式熱交換器はプレート間で起こる乱流によって、セルフクリーニング効果を得られ、伝熱面にスケールが付着しにくい構造になっています。
シェル&チューブ式熱交換器の場合、経年による出口温度の低下が目立ち、機器の取り替え等が必要になることもあります。
しかし、優れた自浄作用を持つプレート&シェル式熱交換器は、クリーンな状態を維持できるので、長期的に高効率な熱交換を行えます。
オフショア・船舶設備に設置した事例では、プレート&シェル型の強みである設置場所の省スペース化という特性を活かし、多管式に比べて設置スペースを5分の1に圧縮。さらに円形構造は縦(高さ)の空間確保に適している点や、温度や圧力の繰り返し変動に対しても安全性が高いことから、船舶設備などで広く導入されています。
参照元:三和テスコ公式サイト(https://www.sanwa-tesco.co.jp/products/pshe/example/)
スケートリンク・倉庫に設置されたプレート&シェル式熱交換器はコンパクトで全溶接構造になっています。さらに丸プレートと伸縮を吸収する外側シェル構造によって、大きな温度変化や漏れに対しても強さを発揮。現在、様々な冷凍設備に設置されています。
参照元:三和テスコ公式サイト(https://www.sanwa-tesco.co.jp/products/pshe/example/)
開発元と協業のプレート&シェル式熱交換器メーカー
1918年に創業して以来培ってきたノウハウと技術力を活かし、各企業のニーズに応えています。
開発元であるフィンランド・バーテルス社とプレート&シェル式熱交換器の製造・販売の協業協定を締結。国内各種企業に向けてプレート&シェル式熱交換器を供給しています。
コストパフォーマンスの向上と高効率化を叶えるため、サイズの異なる円形プレートを8種類用意。これらのプレートは、高圧破壊検査を実施しており、強い耐久性を持つことが証明されています。