熱交換器の能力が低下した・熱交換器内の圧力損失が下がった…という場合は、熱交換器に不良が起こるサインかもしれません。故障やトラブルを防ぐためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。
熱交換器のメンテナンスには、「メーカーに依頼して行うメンテナンス」と「普段から行えるメンテナンス」があります。
熱交換器の内部洗浄やガスケット交換、プレートの入れ替えなどはメーカーに依頼をして定期的に行うメンテナンスです。たとえばプレート式熱交換器のメンテナンスでは、まずガスケットを剥離し、プレートの薬液洗浄を行います。また、ジェット洗浄も行い、腐食やクラック、変形などを目視でチェックします。その後ガスケットを交換したプレートを炉に入れて熱硬化させ、圧力テストにて内部漏れや外部漏れがないか確認します。
熱交換器を分解せずに行える範囲であれば、セルフメンテナンスが可能です。定期的に洗浄を行うことでスケールの除去ができ、故障やトラブルのリスクを抑えられるでしょう。洗浄には手間がかかりますが、工程自体はそれほど難しくありません。なお、洗浄液は汚れに合ったものを選び、人体や機器への影響も配慮しましょう。
メンテナンスを怠ると、熱交換器の故障や詰まり、エネルギーロスなどの原因となります。
たとえば流路に不純物が溜まっている場合、エネルギーロスを引き起こすどころか閉塞する可能性もあります。また、ガスケットが劣化している場合は漏水してしまうことも。さらにプレートに穴が開いた場合は設備停止の可能性も否めません。
熱交換器のメンテナンスを行わないことによるリスクは重大です。生産効率が下がるのはもちろん、熱交換器の寿命も短くなってしまうでしょう。そのため、セルフメンテナンスやメーカーメンテナンスなど、こまめなメンテナンスを行うことが重要です。
熱交換器のこまめなメンテナンスは重要ですが、メンテナンスには費用や手間がかかります。そのため、「メンテナンスにかかるコストが負担」「メンテナンス計画が手間」「熱交換器をコスパ良く運用したい」と考えている場合は、メンテナンスの必要が少ない熱交換器(またはメンテナンスフリー)を選ぶのがおすすめです。