プレート

ここではプレート式熱交換器の特徴や種類、できること・できないことなどを紹介しています。またプレート式熱交換器を取り扱っているメーカーも一覧にまとめているので、ぜひ参考にしてください。

プレート式熱交換器の特徴

複数の伝熱プレートを重ね合わせることで効率的な熱移動を起こせる熱交換器です。

伝熱プレート間には適度に隙間が空いており、高温流体、低温流体が交互に流れる仕組み。ステンレスやチタンなどの腐食しにくい素材を使用するのが一般的です。

プレートの形状や全体的な構造などにより、適した機能が異なるため、用途や条件に合ったものを選びましょう。以下に、主なプレート式熱交換器をまとめました。

ブレージングタイプ

銅やニッケル、ステンレスなどを使用して作られる、ガスケット不要のプレート式熱交換器です。ろう付けされて一体構造となっているため、流体漏れの心配はありませんが、簡単に分解・洗浄できないのが難点。

クリーンな仕様が求められる条件下では、自浄作用を持つステンレスを使用するなど、ニーズに合わせて素材を選定することもあります。

分解できない構造なので、メンテナンス時には薬液を用いる洗浄を行わなくてはいけません。適切なメンテナンスを実施するためにも、確かな知識が必要となります。

ブレージングタイプができること

  • 軽量かつコンパクト設計だから、小さなスペースに設置できる
  • 低コストで導入できる

ブレージングタイプができないこと

  • 洗浄方法等の確かな知識がなければ、適切なメンテナンスができない
  • 流路につまりが生じることがある

ガスケットタイプ

基本構造はブレージングタイプと同じですが、ガスケットタイプではゴムガスケットを使用してプレート間を仕切っています。

プレートは締め付けボルトにより固定されていますが、ボルトを外すことでプレートを洗浄できます

また、熱交換器本体の寸法に依存しますが、プレート枚数を増減させることで、熱交換能力の調整も可能です。

ガスケットタイプができること

  • 分解できるため、メンテナンスが簡単
  • プレート枚数の増減ができる

ガスケットタイプができないこと

  • ブレージングタイプよりもサイズが大きいため、設置場所を考えなくてはいけない
  • メンテナンススペースを確保する必要がある

プレート式熱交換器の導入事例

熱風を接触させることで原液を瞬時に粒子にするスプレードライヤーに、熱交換器を設置しています。

既存のフローでは、10℃の外気を取り込み、バーナーで200~250℃の高温ガスに変えてスプレードライヤーに熱風を加え、スプレードライヤーからのダストを含んだガスをろ過式集塵機(バグフィルタ)からサイレンサーを通して排出しており、10℃から200℃以上まで変化する温度によりサイレンサーからの排ガスは110℃の高温となり、バーナーへの負担が大きくなっていました。

プレート式熱交換器導入後は、サイレンサーからの排気ガス熱を熱交換器にて回収し、138kWの交換熱量で10℃の外気を76.7℃まで上げてバーナーに送るとともに、60℃の排ガスとして排出。
バーナーへの吸気温度の上昇による省エネと排ガスの温度低下を、同時に実現しています。

参照元:MDI公式サイト(https://www.mdirect.jp/product/product-3260/product-3292/)

プレート式熱交換器を扱っている企業一覧

日阪製作所

小さなスペースに対応可能

乱流が生じやすい構造となっているため、自己洗浄可能です。そのおかげで、プレート表面の汚れが軽減。熱効率の低下を防げます。

伝熱プレートを薄くすることが可能なので、コンパクト化を図ることもできます。そのため、設置場所が限られている条件下でも有意義に熱交換を行えるでしょう。

神威産業

メンテナンスの負担を抑制できる

銅ろう付け、ニッケルろう付けのプレート式熱交換器を取り扱っています。プレート一枚あたりの伝熱面積を小さくすることで、コンパクト化を図っているのが特徴。

乱流促進効果がある機器なので自浄作用を得ることが可能です。そのためメンテナンスの頻度を抑えながら稼働することができるでしょう。

シーテック

流路詰まりを予防するオプションを提案

気体のみを熱交換させる場合には、多管式熱交換器よりもサイズダウンすることが可能です。これにより、低コスト化も実現できます。

ゴミ焼却場や産廃処理施設等に導入するケースでは、ダストの付着による流路詰まりが非常に不安です。そこでシーテックはダスト除去装置等をオプションで提案することで、機器のトラブルを回避しています。

ゼンシン

豊富な納入実績による信頼感

ブレージングタイプとガスケットタイプを、使用用途に合わせて提供しています。豊富な納入実績を持っており、信頼感あふれるサービスが魅力です。

性能はもちろん、コストパフォーマンス、メンテナンス性にも配慮し、ユーザーニーズを捉えた提案を行っています。無限の可能性を秘めた熱エネルギーを有効活用しようと尽力しているメーカーです。

アルファ・ラバル

衛生性・耐食性に優れた100%ステンレスプレート

ブレージング式、ガスケット式に加え、オールステンレスプレート式熱交換器を提案。アルファ・ラバル独自の溶接接合技術を使用し、ステンレスのみで製造された熱交換器です。

ステンレスは、耐食性や自浄作用に優れた素材のため、長期にわたりクリーンな環境を維持します。豊富な専門知識を持つ会社なので、要望や条件に合った機器を提供してくれるでしょう。

ハシテック

充実のメンテナンス体制

ガス体とガス体、液体と液体、どちらの流体でも対応できる熱交換器を取り扱っています。使用環境に適した波形パターンを採用しているので、高効率な熱交換を行えるのがポイント。

また充実のメンテナンス体制も整えており、スタッフが現場に訪れ、ガスケットの交換などが可能です。

アタゴ製作所

オーダーメイドの設計・製造を実施

顧客ニーズに応える熱交換器を製作しているアタゴ製作所。これまでにプレート式の排ガス熱回収熱交換器や風呂追炊き熱交換器やプレートを積層した水冷媒熱交換器などを製作した実績があります。

ティラド

コンパクトでも機能性・耐久性を確保

創業80年以上と歴史のあるティラドでは、耐久性と機能性に優れたコンパクトタイプのプレート型熱交換器を開発。とくに二輪車・自動車部門を得意としており、二輪車用熱交換器のラジエーターの世界シェア率はかなり高い水準を誇っています。

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2021年4月調査

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